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那須晴次『伝説の熊野』

富里

 建武の頃護良親王の御佩刀を大字下川上陸平(公卿手)に遺すに当たり家臣に奉侍させた。(郷民、敬してその家臣を安殿といった。安とは長らく安らけくといい、大平を祈りかつ御代を尊称する号だと)その後安氏の子孫、本郡鮎川村に転ずるようになって奉侍する所の御剣を携え行くのを郷民に知られて追跡され、その柄をのこし、辛うじてその剣を奉侍することが出来たと。こうして安氏は剣を奉侍して鮎川村に行ったが鮎川の郷民はこれを拒んだので、止むなく同村小川谷に安祀したのだと。(現今鮎川剣神社の神霊だと) そして、安殿が久しく親王が御剣を奉侍して居住された(下川上の)所を安といい、かつその近方をも安と称しているのだと。

 

(入力 てつ@み熊野ねっと

2019.8.6 UP



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